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放課後、マキが教会に行くのをこっそりと後ろからついてくる人影がいた。レイラと龍勝だ。
「なあ、わざわざこんなふうにしなくてもいいだろ?」
二人は小声で話していた。マキに見つからないように距離をとり、電柱などに隠れながら付いて行っていた。気分はまるでストーカーだ。
「こうやってこっそりと行く方がシスターは気付かない、と思う」
「それって当たり前だろ?ていうか思うって何だよ」
「あそこのシスター、オレが瞬間移動してきたらすぐ気づくんだ。シスターからには見えない場所でも、近くならすぐ気づかれてしまう」
「シスターは龍が憑いていることを知っているのか?」
「ああ。以前仕事で世話になったことがあってな。オレのことを知っている数少ない人物だ」
「そのシスター、なんか『力』があるんじゃないのか?」
「オレもそう考えた。一度シスターのことを調べてもらったんだが、シスターに関する
データーがなかった。この際だからオレの独断だが、シスターのことを一から調べ直そうと思ってな。なんらかの『力』があるなら、『駒』として悪用されかねない。まあ、オレのいる組織の中のコンピューター娘に頼むのも面倒だし」
「コンピューター娘?」
「敵に回すとある意味厄介な奴の一人。そう覚えておいてくれ」
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