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自分で理解し、仕方がないと認めていることだが、なぜかこいつに言われると、すごく腹が立つ。
「ほっといてよ。大体なんで、いちいち人の話に首突っ込んでくるわけ? あ、分かった。あんた友達いないから話し相手いなくて寂しいんでしょ。いっつも席に座って一人でボーっとしてるもんね。そうならそう言えばいいのに。本当に素直じゃないんだから。そんな裏表が逆さまな、憎たらしい性格してるから、制服の下に着てるTシャツまで裏表逆なのよ」
暁は驚いて自分の胸倉を掴んだ。カッターシャツの下から覗いていた、青いTシャツの縫い目が表に出ている。
少し顔を赤らめて、暁は睨みをきかせる。談子はニヤニヤ笑った。
二人の目線の間に火花が散る。意地でも目力で勝敗を決しようと、互いに躍起になる。
小さいが盛大な花火大会を閲覧しながら、由喜は大きく息を吐いた。
「あんたら、本当に仲いいわねー」
「「よくない! 誰がこんな変人と!」」
指を差し合って怒鳴る。
「おーおー、声まで揃えちゃって。由喜さんは少し妬いてしまいますよ」
好みのタイプの隣の席の男子生徒にか、長年連れ添ってきた愉快な親友にか。その辺りはよく分からないが。
頬杖を突いて、由喜は客寄せパンダでも見ているような視線を、談子たちに向けている。
「キシャー」
「ガルルル」
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