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クリーニングから返ってきたばかりの制服に
袖を通しながら、
あっという間に過ぎた
この1年間を振り返る。
*
入学式を終えて、相変わらず"笠鷺 昌孝"の周りには、沢山の人が群がっていた。しかし、彼の断固とした無視と、授業が終わるや直ぐに消えてしまうことから、そんな光景も見なくなった。
それは即ち、彼の孤立を意味している。勿論それについて本人は喜んでいるのだから何も言うまいが。
では、あたしと彼はどうなったのかと聞かれれば、意外にも友人、それも、あたしが彼を"昌孝くん"と呼んでも怒られないくらい、親密になった。
初めからすると可笑しな話であるが、あたしは彼を好きになったのだ。
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