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入学式から2ヶ月ほど経った頃、
隣のクラスの友人と話をしていた時のこと。
「あ、笠鷺、おはよう。」
「…うるさい、朝っぱらから。」
「え、え??」
両隣にいる友人たちの顔を、
何度も見比べているのが、
さぞ滑稽だったんだろう。
眉間に皺を寄せる癖っ毛の友人は、しかし、
すぐに怪訝そうな顔に切り替えこう言った。
「なんだお前たち、付き合ってたのか?」
「へ?」
「?!か、笠鷺!君は何を言うんだ、
僕と実は、ち、中学の頃からの友人で、
今も生徒会が同じなだけであって、」
「違うならそんなに慌てないだろ。
ああ、そうか、お前が好きなんだな。」
「だから!笠鷺!!」
慌てふためく真守を、揶揄う昌孝くん。
ーーなぁんだ、
ちゃんと高校生らしい顔もするじゃん。
自然に溢れてくる笑いに身を任せると、
いつしか、2人から視線を浴びせられていた。
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