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あたしは、優希を家へ連れ帰った。まぁ、偉そうに言ったけど、元々は優希の実家だから、別に不思議はない。
優希とは、生まれた時から一緒だったし、兄妹同然だった。
小さい内は疑うことなくお兄ちゃんだと思っていたんだ。同い年なのにね。
だからあたしは、優希とは血の繋がりが無く、当然、お母さんの子でも無いと知った時はショックだった。
だけど、子供心に思ったんだ。これで、あいつと結婚できるって……。
結婚の意味も知らなかったのに、オマセだったのかな?
だけど、中学を卒業すると、あいつは一人暮らしをすると宣言して、家を出てしまった。
優希が居なくなって寂しい。
だから、迷惑も省みず、嫌な顔も見ないふりして、優希のアパートに通い続けた。
優希は何で一人暮らしをしたかったんだろう?
あたしから離れたかったのかな?
朝が来る度、優希に会いに行くのが楽しみだった。
同じクラスなんだから、どうせ会う機会はあるのに、一分でも一秒でも早く会いたかった。
そして、笑顔を見せて欲しかった。
あたしを愛してくれなくてもいい。ただの幼なじみでいい。優希と少しでも一緒にいたい。それが今の望みです。
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