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【新校舎1年A組の教室】
教室に入ると、何だかクラスメイトの視線が一斉に集まってるけど…
「ねえ、瀬戸君達が魔族をやっつけたって本当?」
「えっ?」
遠山さんが何で知ってるんだろう?
「ワイワイ、ガヤガヤ」
そうか、昨日の戦い誰かに見られてたみたいだ。
「本当に魔族が出たの?」
「ああそうだ、俺たちがやっつけた」
「ほらね、やっぱり魔族は居たんだ。お父さんが言った通りよ。警察の人達じゃ手に負える相手じゃなくて困ってたの」
遠山さんのお父さん刑事なんだね。
「勇者様は?来なかったの?」
大岡さんは勇者が大好きらしい。
「ねえ、勇者様よ、勇者様。助けに来てくれた?」
「はっ、だりぃ。勇者なんて居るかよ」
「なーんだ。魔族倒したの勇者様じゃないんだ。本当にあんた達なの?信じられなーい」
「悪かったな、勇者じゃなくて」
「魔族をやっつけるのは、勇者様じゃなくちゃねぇ」
そりゃ僕達は勇者じゃないですけど…
でも、カプセルに選ばれたんだから、これから戦って行かなくちゃならないんだ。
【カフェ】
《ランチを食べる大河、翔、司、蓮》
今日は先生達の都合で特別クラスまでまだ時間が有る。
「何で僕は、ランチまでお前達と一緒にしなければならんのだ」
「だりぃ、誰も頼んでないぞ」
「鬼嫁の弁当じゃねえのかよ?」
「そんな物は無い」
「頼めば作ってくれるんじゃないの?」
「良いか大河。女子なら頼まれなくても作るものだ」
そうなの?
何か昔の男みたいだね、蓮君。
まあ、僕も古典の世界で育ったから人の事言えないけど、女性のこと「こう有るべき」っていうのはあんまり無いな。
そりゃあ、理想は有るけどね。
「美味っ」
「翔、ガツガツ食べるな、行儀悪い。ほら、こぼしたぞ」
蓮君、翔の事も名前で呼んだ。
何だかんだ言いながら、仲良くなって来てるよな、僕達。
《スマホの通知音が鳴る》
「何だ?大河。女からのメールか?」
司はすぐそういう事言うし。
《スマホを見る大河》
「女性には違い無いけど…」
お婆ちゃまからだ。
え?今度のおさらい会の序開き?
僕が踊るの?
梅の春か…
清元は唄の間が取りにくいんだよな。
今の僕にはまだ難しいよ、梅の春は。
メール
「千代の友鶴ではいけませんか?常磐津なら弾けるから踊りやすいです」
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