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調書
頃はとうとう七月を目前としている。
巷は聖ユーミル祭でもちきりだ。大きな祭りがここから秋にかけて続く、その最初の祭りがこれなのだ。
団長達はとにかく毎日が忙しい。城の大臣達や、聖教会との打ち合わせが主だ。会議に検討会、視察で目が回るような忙しさなのだ。
聖ユーミルは建国の王に仕えた神官だった。神の声を聞き、危機を予言し、輝く未来を予言したと言う。そのことから彼は聖職者の守護者であり、大祭が開かれるのだ。
当日は城から王都の大聖堂までのパレードが行われる。皇帝カール四世が民の前に姿を現す数少ない機会。花を飾り、色とりどりの花びらを撒いて祝福する。その為、警備やパレードコースの検討などに団長達は忙しいのだ。
本来コースの決定や教会との打ち合わせは宰相府、パレードの警備は近衛府が担当するので騎兵府は城と教会の警備だけでそれほど忙しくはないのだという。
だが、今年は違う。昨年起こったファウスト拉致事件の際に捕まったテロリストからの情報があるからだ。
聖ユーミル祭で大きな花火を上げる。
テロ対策や町の治安維持は騎兵府の担当。そして、それらの情報を集め調査するのは暗府の担当だ。テロの危機感が高まっている為、今年は騎兵府も例年以上に人員を割き、街警を増員している。
そして暗府はテロに関わる情報を収集し、街の隅々まで人を配している。
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