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「ただいまぁ。あれ?ウィル、機嫌直ってる?」
撫でられるのに夢中になっていたら、いつの間にか隣にはお嬢がいた。
「お散歩途中から、なぁんかムスッとしてる感じだったんだけど」
「祥穂の足が遅くて不満だったんじゃないか?」
「えー、そんなことないでしょ!ねぇ?」
しゃがみ込み、グイッと顔をのぞき込んでくる。それと同時にお嬢の香りが押し寄せ、オレの理性は押し流された。ベロンとお嬢の頬を舐め上げる。
「うわぁ、何?慰めてくれてるの?」
止めてよと言いながらも、なんだかお嬢が楽しそうだったので、オレもつい楽しくなってきてお嬢にのし掛かった。
「ちょっと祥穂、ウィルとじゃれるのもその辺にして、ご飯食べちゃいなさいよ!ウィルもご飯よ!」
ママさんに叱責され、お嬢はあっさりオレを押しのけた。
しかたない。これ以上遊んでるとまたお嬢に怒られそうだし、オレも腹が減ってる。オレはママさんが用意してくれたオレ専用の食事を、お嬢の足下という定位置で食べることにした。
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