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最終章 お嬢のためならどこまでも!
人のしゃべる声で目が覚めた。
お嬢の匂いに包まれて、すっげぇイイ夢見てた気がするのに忘れちまったじゃねぇか。
オレは、ふわっと欠伸をして、布団を鼻で引っぺがした。部屋はいつの間にか暗くなっている。どうやらずいぶん寝ちまったらしい。
耳を澄ませてみると、階下でお嬢とママさんの声がした。いつの間にかママさんも外から帰ってきたようだ。アイツももう帰ったかなー、とぼんやり考えていると、ドタドタと階段を上がってくる音に続けて、パチリ、と部屋の電気が灯された。
うわ、まぶし。
「っウィル!!」
電気をつけた張本人であるお嬢は、びっくりした顔でオレを見た。
やべ、オレ、ベッドに乗ったまんまじゃん。これ、怒られるんじゃねぇの?ちょっと前まで、怒られても良いとか思ってたけど、やっぱりお嬢を前にすると全然良くない気がしてくる。
とっさに伏せの姿勢でごめんのポーズを取ろうとしたが、
「どこ行ってたのよ!!」
ガシッ、とお嬢に抱きつかれてしまった。と同時に、ほわん、とお嬢の匂いがオレを包む。あれ?オレってばまだ夢の続き見てんのかな?
オレはお嬢の耳をペロリとなめると、お嬢はオレを無言でワシャワシャと撫で回した。
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