ため息のパパブルース

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★    破魔矢と御札を買い終えた頃に、妻の小雪が、私の所に合流してきた。  自分のバッグを肩から下げて、たこ焼きパックの入ったビニールを両手で持っている。    「あれ? カナとケンはどこ行ったの?」    ケンがカナを追いかけていって、5分程経っていた。    「実は……」    私は事の顛末を、簡単に説明した。すると、小雪の顔はみるみるうちに、不安と怒りを撹拌した表情に変わっていった。    「じゃあカナとケンは一緒なのね。私がここに合流する前に、おみくじの店の前を通ったけど、二人は見なかったわよ」    一抹の不安がよぎった。  それまで私の内心は、戻りが遅いケンとカナに対する苛立ちに支配されていたのに、そう言われて、そんなものは、たちまちどこかに霧散してしまった。    「今、そんな事を言われても分からない。ケンがすぐ追いかけて行ってしまったんだから」    内心を見透かされまいと、私は強い口調で切り抜けようとした。世間ではこれを逆ギレと言うのかもしれない。  しかし小雪は私の逆ギレなど、意にも返さず、子供の心配を大きな怒りに変えて、詰め寄ってきた。    「だからね。世の男はいい加減って言われるのよ」       
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