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3.ジャバウォック Jabberwock
廃墟の街を、多数の人影が周囲を伺っていた。
その手には無骨な銃を携え、顔を覆ったマスクからは目元だけがじろりと周囲を伺っている。
隊列を組み、無駄なく進む人影を、有栖達は崩れかけた二階の建物から息を殺して見守っていた。
「見つかるのも時間の問題ね」
ホワイトはしんどそうに身体を横たわらせた。
額からは血が流れ続け、抑えた布も血が滴るほどになっていた。
「あいつらは何なの?」
「私達と一緒で、ただの"死に損ない"よ。この国じゃ、自称レジスタンスって名乗ってるわ。有栖、リュックを渡して」
ホワイトは有栖からリュックを受け取ると、中身を弄り始めた。
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