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「うーん…骨が見えちゃいそう」
手鏡で額を眺め、ホワイトは嬉々としながら呟いた。
その傷口からは血が吹き出し続け、皮膚は裂け、深く切れているのが容易にみて取れた。
「傷が深いわ、縫わないと…」
有栖の言葉に、ホワイトはリュックから何かを取り出し、ニコッと笑みを浮かべる。
手には医療キットのようなものというよりは、簡素な裁縫セットが握られていた。
「あなた不器用そうだけど、今は贅沢言ってられないし」
そういうとホワイトは裁縫キットを有栖へ放り投げた。
「… 嘘でしょ!?そんな出来る…」
有栖の口を、慌ててホワイトが塞ぐ。
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