1.生死不明 Life and Death Unnown

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時を経て、辺りに響く二つの鈍い音。 闇に染まるアスファルトを、更に黒い染みが侵食していく。 「寒い…」 有栖が微かに呟いた。 しばらくすると、地面に投げ出されたスマートフォンが鳴り響き、周囲の静寂を切り裂いた。 おそらく母からの電話だろう。 「もう…帰らない…と…」 この言葉を最後に、有栖は静かに目を閉じた。
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