0人が本棚に入れています
本棚に追加
あらすじ
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。
「また失敗か……」
僕は、〝これ〟が始まってから、何度目かの溜息を吐いた。
溜息の数は、僕が死んだ回数。
── 一ヶ月前 ──
屋上で、柵に肘を乗せながら黄昏ていたところ、僕は何者かによって突き落とされてしまった。
運が良かったのか、数十メートル下の地面ではなく、数メートル下の屋外階段の踊り場に落ちた。
いいや。運が良いというのは間違いだったかもしれない。
薄れ行く意識の中で、僕が先程までいた場所を見上げる。
嫌に眩しい太陽のせいで顔は見えなかったものの、そこには、確実に人影があった。
「なんで……僕が……」
そして、僕は
死んだ。
_________________________________________
霊体になった僕は、周りの体を借りて犯人探しを始めた。
犯人を見つけ、僕を救えなければ、〝僕が殺された日〟が永遠に繰り返される。
何度も何度も繰り返す、僕の死。
一体誰が、僕を殺したのか。
最初のコメントを投稿しよう!