第1話 いつの間にか

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「は~あ。よかった。」 白石さんは、ドアが閉まったタイミングで、背伸びをした。 「このまま見つからなかったら、徹夜だと思った。」 「徹夜!?」 一瞬、背中がブルッと震えた。 「じゃあ、俺は仕事に戻るね。斎藤さん、気を付けていってらっしゃい。」 「はい、有り難うございます。」 話ばかりして、一向に探してないような気がするけれど、とりあえず白石さんに、頭を下げた。 二人で倉庫を出て、営業部に戻ると、カバンを持った。 「部長。探していた在庫、間野さんが見つけてくれたみたいなので、一緒に取りに行ってきます。」 「ああ。間野から聞いてる。遠くて大変だが、頼むよ。」 「はい?」 遠い? この周辺じゃないって事? 不思議に思いながら、急いで玄関口へ走った。 外には既に、車が停まっている。 私が近づくと、窓が開いて、間野さんが顔を覗かせた。 「遅い!」 「すみません!」
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