75人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい!」
好きな事を仕事にできる。
そう言われると、自分は幸せだなって思う。
「間野さんは?」
「俺か?俺はとりあえず、就職試験受けられるとこ、片っ端から受けてな。合格したところよ。」
「へえ~。でもなんで、この会社に?」
「だから、ここしか受からなかったのさ。」
しばらく、車のエンジン音だけが、鳴り響く。
「よかったですね。引っ掛かって。」
「ああ?ああ。」
それでずっと、この会社にいるって、結局合ってたのかな、間野さんに。
「ところで、この時間に向かって、お店開いてるんですか?」
「開いてる。結構大きなの店だから。じゃなければ、俺だってこの時間、車走らせるか!」
時計をチラチラ見ながら、運転をする間野さん。
そのハンドルに伸びる腕が、意外にも逞しい。
「腹、減ったか?」
「まあ……」
「待ってろよ。」
間野さんは、すかさずハンドルをきった。
最初のコメントを投稿しよう!