第1話 いつの間にか

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「はい!」 好きな事を仕事にできる。 そう言われると、自分は幸せだなって思う。 「間野さんは?」 「俺か?俺はとりあえず、就職試験受けられるとこ、片っ端から受けてな。合格したところよ。」 「へえ~。でもなんで、この会社に?」 「だから、ここしか受からなかったのさ。」 しばらく、車のエンジン音だけが、鳴り響く。 「よかったですね。引っ掛かって。」 「ああ?ああ。」 それでずっと、この会社にいるって、結局合ってたのかな、間野さんに。 「ところで、この時間に向かって、お店開いてるんですか?」 「開いてる。結構大きなの店だから。じゃなければ、俺だってこの時間、車走らせるか!」 時計をチラチラ見ながら、運転をする間野さん。 そのハンドルに伸びる腕が、意外にも逞しい。 「腹、減ったか?」 「まあ……」 「待ってろよ。」 間野さんは、すかさずハンドルをきった。
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