第1話 いつの間にか

19/25
前へ
/25ページ
次へ
もしかして、ファミレスに連れて行ってくれるのか? 目の前が、パァーッと開けた。 「店に着いて本を貰ったら、どっかコンビニに、寄ってやるからな。」 私の視界が急に、暗くなる。 コンビニ。 今日の夕食は、コンビニ。 営業部へ移動の初日の夕食が、コンビニ。 心で泣きながら、私はまた窓の外を眺めた。 「よし!ここまで来たら、もうすぐだ。」 一人、間野さんだけ、テンション上がってる。 「間野さん、楽しいですか?」 「ああ、楽しいな。斎藤は、楽しくないか?」 「まあ、そこそこ。」 だって、もう辺りは暗いのに、まだ仕事してるって。 「あのなぁ。元はと言えば、誰のせいでこんな場所まで、来てると思ってんだよ!」 「はははっ!楽しいです!間野さんと、ドライブ!」 「ドライブじゃない!営業だあ!」 「そうですね!営業営業!」 間野さんの読めないハイテンション。 確か書店周りの時も、笑えとか言ってなかったっけ?
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加