第1話 いつの間にか

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「斎藤。弁当は買うな。」 「ええ!?」 「当たり前だろ。食べてる途中に食い物が、シートの中に溢れたらどうするんだよ。サンドイッチとか、おにぎりにしろ。」 コンビニで済まされたせいか、お弁当もダメ。 どこまで、鬼なんだ! 「って言うか、何でファミレスじゃないんですか?」 「ファミレス?一旦座ったら、もう運転できないだろうが。」 「私が運転しますよ。」 「だ~か~ら~。信用できないんだよ。」 間野さんは、大きなソーセージが入っている特大のパンと、コーヒーを買っていた。 私は諦めて、サンドイッチとジュース。 はぁ。 今日はついてない。 これも車の中で、ものの10分で食べ終わり、私達はあっという間に、また車道に出た。 「いつもこんな遅い時間まで、働いてるんですか?」 「いや。今日は特別。」 特別と言う言葉に、ドキンとする。 「異動初日で、こんなハードなスケジュール。大変だったな。」
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