第1話 いつの間にか

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「す、すみません!」 これはもう、謝るしかない。 「次行くぞ。」 「はい!」 返事をした私に、間野さんは振り返ると、立ち止まった。 「……今から行く書店にも、在庫があるか聞いて来いよ。」 「分かってます!」 鼻息満載で、意気込みを示した私は、早速ファイルを捲った。 「……次ってここですか?」 私は間野さんに、ファイルを見せた。 「ああ、そうだ。」 見れば、レディコミ部門は、いづれも小さい店ばかり。 なんで今日は、こういうチョイスなの!? 「あの~……」 「どうした?」 「今日行く書店って、レディースにあまり力を入れていない場所ばかりだと思うんですが……」 「なんだ?不満なのか?」 「いいえ!」 間野さんにジロッと睨まれたら、何も言えないじゃん。 「とにかく、やれる事はやってみろ。」 「はい。」 営業部初日。 先ずは、言われるがまま、営業を肌で感じる事に、専念だ。
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