こたつは私の家よ!

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冷たい風が街を吹き抜け肌を冷やした人々が寒々と震えながら過ごす冬。そんな辛い寒さから人々を救ってくれるスーパーアイテム。 それこそがこたつである。 一度その中に足を入れてしまうと、たちまちこたつの暖かさの虜にされ何もかもを放棄してずっとここでのんびりしていたいと思ってしまう。 こたつは人に心地よい生活をくれるアイテムであると同時にダメ人間製造機としても機能するのである。 ……その効果に人種性別年齢による差はなく、誰しもに発動してしまう。 そう、例え異世界から来たお姫様であってもそれは例外ではないのだ。 「ただいまぁ~。 外は今日も極寒だぞ。」 俺は部屋に入ると手慣れた手つきでこたつ布団をめくり、コンビニで買ってきた漫画雑誌4種をこたつの中に入れる。 「マジで~。日本の冬超やばいんだけど。」 俺の問いかけにこたつの中から女性の声が応答する。俺はそれにさも当たり前のように「だよなー。」と返答して荷物を片すとお待ちかねのこたつタイムに入ろうとこたつに足を入れる。 「くっさ! ちょっと悠太郎こたつ入んないでよ!」 「はあ!? これ俺のこたつだぞ。何でおまえに使用禁止されないといけないんだよ。」 「残念だったわね! もうとっくにこのこたつはあんたのものじゃない。私の家よ!」 恥ずかしげもなくそんなことを言う女、名をクレトリヤスといい、2ヶ月前の11月から俺のこたつに居候している。金髪でスタイル抜群でウルトラ美女。そんなパーフェクトな女性が何故うちに居座るのかと言うと、話は俺たちが出会い、クレトリヤスがこたつに住み着いた2ヶ月前に遡る。
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