33人が本棚に入れています
本棚に追加
数日間、忙しい日常の中でそんなことは忘れていきました。少し早く出かけなければいけなくなっていたので、おじいさんと会うことはありませんでしたから。
でも、数日後、いつものペースに戻すことができるようになりました。
バスの時間を確認したとき、最初に巡ったのがお二方のこと。今日は会えるかなって。
もちろん眼鏡をかけました。
いつもの歩道を歩いていると、前方にいらっしゃいます!もちろん歩調は早くなります。
バス停に向かう人たちも少し早い歩調の朝のペース。
彼らが射程距離に入りました。撃つのではないですね、しっかり見るためです。
もう赤くないか、スカーフか。
そして
追い抜きざまに、ちゃんと眼鏡で1.0の視力で私が見たのは・・・熊でした。
小さなトイプードルくんは、小さな小さな赤い熊のぬいぐるみのような物を咥えて歩いていたんです。
もっとよく見たかったけど進まなきゃいけないのが朝の歩道です。
熊、クマ、くま、🐻????
ちょっと1.0になるはずの眼鏡を疑いながら、1日を過ごしました。
翌日も会えました。やっぱりクマでした。赤い。
それから何度も追い抜いています。やはりトイプードルくんは赤い熊のぬいぐるみのようなものを咥えて、おじいさんと朝の歩道を歩いています。
なぜ赤い熊のぬいぐるみを彼が咥えているのか?
私の新たな疑問がそこに移ったのと、おじいさんのシャツが半袖になっただけで、他は何も変わらず、朝の歩道の時間は独特のスピードで流れていきます。
異様なのは、靴音のスピードなのか、おじいさん達のスピードなのか、ワンコが赤い熊のぬいぐるみを咥えて散歩していることなのか、それに気づかないで追い抜いていた私なのか。
そんなことを考えながら、バスに乗りました。
そんなことを考えながらも、ボヤーンと始まる一日のスタートは、バスの中で戦闘モードに切り替わっていきます。
最初のコメントを投稿しよう!