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目覚めるとそこは屋外の階段の踊り場だった
「…。あーー。またやっちゃった。酒飲むと、覚えてないのよね。夕べ、むしゃくしゃして一人で呑んでたら絡まれて、、、」
いや、私が絡まれたんじゃない。近くに座ってたカップル。
輩に絡まれて、彼氏がビビッて逃げちゃって。彼女一人置いてけぼり。サイテーだよね。
見るに見かねて、むしゃくしゃしてたし、やっちゃったみたい。記憶ないけどね。
なんでむしゃくしゃしてたかって?
お正月、実家に帰ったときに、いつものように父さんからうざいこと言われて。
「恭子、お前将来のこと考えてるのか。あんな3流大学じゃ就職先ないだろう。こっちに帰ってこないか。役場に就職できるように、父さんが口きいてやるから。」
「うん。考えとくよ。じゃー、またね」
そう言って実家を後にした。子供の頃から優秀な姉と比べられ、厳格な家を出たくて、逃げるように地元を後にして東京の大学に進学した。あの日は、むしゃくしゃしてて、居酒屋で、一人で呑んでたら、さっき言った、彼氏逃走現場に遭遇したってわけ。
「やめなよ。彼女嫌がってるじゃん 」「なんだと、てめーは関係ねーだろ。引っ込んでろブス」
「ブスだって??な んだとぉーおりゃー」で、そのあとの記憶はなく、今に至るってわけ。
「あ、目が覚めたんですね。昨日は助けて下さってありがとうございました。」
私の名前は美香。城慶大学の3年生です」
コーヒーを差し出して彼女は言った。
「私って男運ないんですよ。昨日も、初デートだったのに、彼ってば、私を取り残してお店出てちゃったし。」自分とは真逆の無邪気でかわいい印象だった。
厳格な家育てられ、優秀な姉の陽子と比べられ幼少期よりコンプレックスを抱える恭子。酒を飲むと別人格になり、抑圧されていた精神が解放され、普段の恭子とは異なる人格となる。仲間との出会いにより、様々なトラブルを解決し、その中で徐々にコンプレックスを克服していく。
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