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パパとママが病院へ行くと、私は走って河原の青いテントまで行った。
「友麻ちゃんか? こんな時間に来ちゃいかんだろう」
「だって家に誰もいないもん。パパもママも病院に行っちゃった」
私がテントの前で泣き出したから、昭三じいさんは驚いたようですぐにテントの中へ入れてくれた。
「そうか、赤ちゃんは待ってくれないからな」
もしもママに同じ言葉を言われたら反発するけど、なぜか昭三じいさんの言葉はすんなりと心の中に届いた。
うん、赤ちゃんはこちらの都合には合わせてくれない……。
「おじいちゃん、一緒に新年を迎えたくて来たの。独りぼっちで迎えるのは寂しい」
「……そうだね。じゃあ、一緒に教会へ行こうか。昭三じいさんは教会で新年を迎えるつもりだったんだ」
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