18人が本棚に入れています
本棚に追加
その日はクリスマスイブだった。
駅前には大きなツリーが飾られ、並木道にはイルミネーションが煌めいて、過ぎ行く人たちは瞳を輝かせてみんな幸せそうに笑っている。
きっと、世の中では一年中で一番幸せな日なのかもしれない。
だけど、私は独りぼっちで歩いていた。
本当はパパとママとレストランでお食事をするはずだった。クリスマスイブは日曜日だったし、いつもは忙しいお仕事も休みだったから。
だけど、急にお仕事になっちゃった……。
仕方がないよね、パパは産婦人科のお医者さんでママは助産師さん。
自宅のある敷地内に病院はあるから、急な患者さんが来たらすぐに駆け付ける。
仕方がないって分かっているよ。
それでも楽しみにしていたから、やっぱりガッカリしちゃうの。
家に居ても独りぼっちだから出てきちゃったけど、それでもやっぱり独りぼっち……。
最初のコメントを投稿しよう!