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隆くんは、近所に住んでいたお兄ちゃんだった。よく遊んでくれたし、何より優しかった。年上な分、大人びているのがよかったかもしれない。
年は3つ離れていて、実際に学校が被った時期は小学校のときだけだったが、近所なのでよく家族ぐるみで旅行に行ったり、お互いの家でご飯を食べたりもした。
私はどんどん、どんどん
隆くんに惹かれていった気がする。
大人になればなるほど、私たちが会う回数は確実に減っていったが、それでも会う度に『あきちゃん』と呼ばれることで、私は小さな優越感に浸っていた。
ただ……同時に、彼の中ではあくまでも『あきちゃん』であって、妹みたいな存在であって、おそらく恋愛対象ではない。そんなことを考えると少し淋しかった。
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