もしも、1時間が当たったら

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私が高校生になる年、隆くんは大学進学のため、故郷を離れることになった。何より悲しかったのは、お父さんの転勤も重なって、隆くん一家も一緒に引っ越すことになってしまったことだ。 『ご近所さん』という唯一の関係が切れてしまう……私は気持ちを抑え切れず、別れ際に泣いてしまった。そんな私を見て、隆くんは私の頭を撫でてくれた。 抱擁でも、キスでもなく。 小さい子をあやすみたいに。 それもまた淋しかった。
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