抱きしめられるこのいまを

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「ええ。奇妙な武器を搭載してる。敵の連携練度(れんど)も高い。簡単にはいかないようね」 「で、その運び屋は飛行物体に日本の隊員を運び出そうとしていると?」  サモンは後ろを走るラピに見えるよう片手を上げ、指し示す。  ラピはどういう意味か察する。上空にヴィーゴとレオネルズ、戦闘機を捉える。流れ弾に注意して進む必要がありそうだ。 「今のところ、そう考えるしかない」  2台のバイクが住宅の並ぶ通りに入る。山の中腹に建つ家はホテルも兼ねているようだ。建物の壁や境界柵に料金表が掲示されていた。  ラピはバイクを走らせながら右を一瞥(いちべつ)する。 「サモン! お客さんだよ」 「やっぱ、すんなりと現場には行けねえみたいだな。悪いが、フォスター小官。これで失礼する」 「了解。ご健闘を」  右側の森が騒がしい。枝が折れる音や葉が擦れる音に混じって、機械音が聞こえる。そう認識した時、森の中から青いレーザーが飛び出した。  レーザーはサモンとラピのバイクの間を通り抜ける。ラピは急ブレーキをかけ、ハンドルを切る。タイヤがアスファルトと摩擦し、白い煙を立てる。車体は進行方向に対して側面を向けながら傾倒(けいとう)する。  ラピのバイクはレーザーの下を潜ると、傾いた車体を立て直す。  バイクは最小限のふらつきだけで急加速する。  バイクが分かれ道に差しかかる。バイクがカーブする下り坂へ入ると、森から4体のカリヴォラと2体のヴィーゴが出てきた。
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