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昔懐かしのメロディが流れる店の中、商品をカゴに入れる。
自分と同じ奥様方や学生の行く方向に注意を向けながら、カートを押して移動していく。
買わなければならないものだけメモした紙を見ながら、目的の商品を探すのが氷見野の習慣となっていた。
夫から無駄な物は買わないでくれとの注文もあり、対策として必要な物を書き留めることにしている。受付で働いていた頃は、そんなことを気にせず買い物をしていたが、今はそういうわけにもいかない。
財産は共有されているため、夫の同意がいるのだ。
懐かしい独身時代。結婚に憧れていた。
閉塞感を匂わせる今よりも、過去の独身時代が遥かに蒼く見えた。
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