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氷見野は水やりを終えて部屋に戻る。ものの3分くらいしかいなかったのに汗まみれ。カウチソファの背にかけていたタオルで汗を拭う。まださっき吸った汗が残っていて、濡れた生地が肌に触れる。
ソファに座り、安堵の息をつく。水滴に覆われたペットボトルをテーブルから取って蓋を開ける。ぬるくなってしまった水を口に入れ、蓋を閉めた。
まだ喉の奥が乾いているが、潤うまで飲み続けていたら逆に体調を壊しそうで、控えるのを心掛けている。
夫がいつも帰ってくる時間を想定すると、夕飯の準備まで2時間くらいあった。くつろげる時間はまだある。またいつでも飲めるからと、水のペットボトルをいつもの習慣でテーブルに置いた。
つけっぱなしになっていたテレビは、またあの話題を伝えている。爽やかな印象の男性キャスターが、最近起こったあの生物に関する死傷事件を説明していた。
名前はブリーチャー。地球外生命体と言われている。
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