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「畑を荒らすなんて、まるで魔物じゃない! ひょっとして、魔物菌に侵されて魔物化してるんじゃないの!」
魔物化。
ある特異な菌に侵された動物は、次第に自我を失って、最後には魔物化してしまう。そのなれの果てがオーク軍団だった。
最愛のパートナーを侮辱されたサオリンは頭に血が上る。現世の佐緒里ならば、相手に向かって空き缶でも投げつけている処だったが、サオリンは可憐なヒロイン少女だ。必死に冷静さを保ったまま、首を横に振る。
「チドリさん。そんなの嘘よ。うちのヒューイは悪さなんてしないわ」
(何よコレ? 『魔物化』なんて、今まで聞いたことは無かったのに?)
今までに繰り返されてきたエピソードとは明らかに異なっている。内心、戸惑いを感じながらも、可愛らしく反論する。しかし、即座にチドリは容赦無く畳みかけてきた。
「だったら、どうして、畑にキツネの足跡が無数の残っているのさ。しかも、アタイはこの目で確かに見たんだよ。ああ、確かに黄金の後ろ足だった。あれはキツネモドキだよ!」
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