第2章なしジュース

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「え? ここ高級レストランじゃん……いいの?」 「いいのいいの、杏と一度行きたかったんだ」  一生行かないと思っていたレストランにも手を引いてもらい、杏は充実した1日を送った。 「……杏、これ」 「ん? これは」  夜の街で祐梨はあるものを取り出す。  中を開けると高価そうなペンダントだった。 「これ……すごく高いよ……」 「うん……まあ」  祐梨は目を逸らしながらも目線を杏に戻る。 「杏に思い出に残るデートをしてあげたくて、お金が貯まるまで杏と会うの我慢しようと思って……心配した?」  祐梨の言葉に目頭が熱くなる。 「心配したよ……でも、本当に嬉しい。ありがとう……お、お礼しなきゃね」 「え? いいよいいよ」 「いやでも……」  杏は身を乗り出すと、祐梨は頭を掻き何かを思いついた。 「じゃ、じゃあ……俺に好きって言って?」  祐梨は頬を赤らめる。本当に初々しい……  杏は祐梨の手を握ると微笑んだ。 「祐梨、好きだよ」  祐梨の表情に杏も恥ずかしくなる。 「俺も好きだよ、杏」  祐梨は優しく杏を抱きしめる。  腕の中で杏はうっすら目を開け思う。 「ここまで私の為にしてくれたのに……いつかあなたは私の事を好きと言ってくれないだろう」 っと……     
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