第3章ももジュース

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「先生、今日から担当が変わるんですけど」 「え? 聞いてないですよ」  突然の事に呆然とする。 「突然、部署移動したいと言いましてね……少女漫画の編集部に行くとか言って」 「少女漫画……」  杏はやっと人気作家という名前がついた頃の時だった。 「で、これから新しい担当になるんですけど、新人の男性になります」  そう言って部屋から若い男性が出てくる。 「お、桃山! ちょうど良かった。横澤先生に挨拶しなさい」 「あ、よ、横澤先生。はじめまして、今日から先生の担当になる桃山です」  杏より1つ年下ぐらいの桃山が頭を下げる。 「よろしくね、桃山君」  彼との出会いは此処からだった。 「先生、原稿の進み具合はそうですか?」 「うん、私は大丈夫だけど……桃山君大丈夫?」  目の隈が濃くなっている桃山に思わず心配する。 「いや、大丈夫です。ちょっと締め切りを過ぎている先生がいまして……」 「あ、なるほど」  目を見開いて原稿を見る桃山に思わず手が伸びる。 「先生?」  伸びた手は桃山の頭に置かれる。 「頑張れ! 新人」  杏の言葉に桃山は笑みを滲ませる。 「はい!」
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