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第4章みっくすジュース
「なあ、俺子供出来た」
「あ?」
林の言葉に思わず低いトーンになる。
「あ、俺が産んだんじゃねえから」
「分かっとるわ、あほ」
隣で寝ている林は肩ひじを立てる。
「俺の奥さんが産んだの。ちょっと前に」
「へえ、それはおめでとうございます……てか、もっとあんたここにいちゃダメだろう」
「え? 何で」
「何でって……妻子いるのに他の女の家にいるって……」
林は目を細めると起き上がる。
「まあ、そうかもなー。俺間違えたな……可愛い系より綺麗系の方が好きなのに流れで結婚して子供まで出来た。こんな事になるなら杏と結婚すればよかった」
「……あんた、最低だな。でも、子供に罪はねえ。この関係がばれて離婚したら子供の将来に響く」
「え、何? 急に正論言っちゃってさー。で? 別れるの?」
林の言葉に杏の顔が硬直する。
「確かに今別れたら何事もなく綺麗に時が流してくれるけどさ、別れたら耐えられる? 俺に会いたいって思うでしょ? 俺は思うけどな~、杏に会いたいって」
林は杏の顎を持ち上げ顔を近づける。
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