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「ええ、そうなんですけど。緊急の打ち合わせが入ったと聞きまして走って来ました」
「いや、別に大した打ち合わせじゃないから来なくてもよかったのに……」
「いえいえ! 無事に終わったのならいいです! それに先生これから帰りですよね? 途中までついていきます」
桃山の言葉に驚いていると桃山が顔を覗かせる。
「先生?」
「うわあ!! 顔近い……てか、別に1人で帰れるし」
「いやいや、先生最近後ろをつかれているって言ってたじゃないですか? もう、夜遅いし危ないのでついていきます」
「え……あ、うん」
強引な桃山に流されてしまい、一緒に帰っていると前に人影が見える。
その姿は林だった。
「は、林さん……どうしたんですか?」
林は杏の元に近づく。
「なあ、杏。もう一度やり直そう……お前は俺の事会いたいって思わなかったのか? 俺はお前に会いたくて仕方がねえ……」
呼吸が荒い林は杏の腕を掴もうとすると、桃山がその手を払う。
「あんたが、最近先生の後ろをつけている奴か……言っとくが俺にとって先生は大事な人だ。二度と近づくな」
桃山は杏の腕を引っ張りその場を離れる。
杏は林が桃山を狂気の目で睨んでいるのを涼しい目で見た。
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