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「別に瑞希を否定してるわけじゃなくてね……ただ……いい男見つけて、いい頃合に結婚して、子ども産んで……女は男より多いと思うんだよね。そういう縛りが」
奈緒は眼鏡をくいっとあげる。
「男女平等とか言ってるけどさ……一生独り身の女性に対する世間の目ってすっごく冷たい気がする」
私たちは彼女の言葉に頷いた。
「たしかに……男の独り身より、女の独り身の方が色々言われるかも」
うんうん。
「いいじゃんね、自分の人生くらい」
そうだ、そうだ。
「そうよ、なんか女の人だけ賞味期限があるみたいだし……」
うん、たしかに。
すると、翔子は笑った。
「まっ、賞味期限があったとしても、今日明日で切れるほど差し迫ってはないわけだし……いまの私は速水先生がいれば十分なんだけどねぇ」
続けてそこに奈緒が口を挟む。
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