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「龍平さん、結婚してるじゃないですか?実際のところどうなんですか?」
私はテーブルを大きく拭きながら彼の左手を眺めた。それに気づいた彼は薬指の指輪を少しなでた。
「うーん……まぁ、たしかにいまの奥さんとは見合いで知り合って結婚したから、世間の目とか全く関係なく……ってわけではないな」
「やっぱりいつの時代も言われるんだ……」
私は大きなため息をついてテーブルに突っ伏した。彼は皿を拭きながら続けた。
「うん……まぁ、でもいいこともあるぞ?俺は一生ひとりでいこうとした。そっちの方が楽だって思ったからだ。でもな、周りに尻を叩かれ結婚し、いまの奥さんと一緒に生活するようになって安心感はあるぞ?"あぁ、自分ひとりじゃないんだな"って」
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