256人が本棚に入れています
本棚に追加
音が止まる。龍平さんは皿を戻す作業を中断し、こちらを見た。
「どういうこと?」
私はうーんと少し考えた。
「たとえば、龍平さんにとって嫌なことがあって100返ってきますよね?……そしたら場合によっては奥さんと半分こで……奥さんは自分が何もしてなくても50のダメージ」
私は空で人差し指を回した。龍平さんは何も言わない。私はたとえ話を続けた。
「あっ、いいことがあったとしてもあれかな……奥さんが100頑張っても半分こで龍平さんにも50入る」
「それは逆も言える」
すかさず龍平さんが入ってきた。こちらから見ると照明の関係か、一瞬なんだか固い表情に見えたが、彼はすぐに笑って答えた。
最初のコメントを投稿しよう!