第1章 恋人1

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第1章 恋人1

里紗「おー!きれい!」 胸が高鳴っている。 大型の船が波を作りながら走っている。 波しぶきは、穏やかであり、優しい。 夜景で周りは、キラキラとした景色。 大勢が集まった慣れない場所。 ケイ「里紗!」 その声に私は後ろを振り返る。 すると、さっきとは、違う真っ黒なスーツ、そして少し固めな彼の姿が現れる。 添えられるように手にしていたものは、真っ赤な薔薇の花束。 どきどきという心臓の鼓動が緊張のせいで私の耳に響く。 だんだんとその姿は私に近付いてくる。 ケイ「誕生日、おめでとう…」 里紗「…え?」 思わず、そう口から出る。 ケイ「今日は、里紗の誕生日だよね!」 里紗「…うん」 ケイ「僕からの誕生日プレゼント」 彼は自分が添えられるように手にしていた真っ赤な薔薇の花束を私に伸ばす。 私は手を伸ばし、彼の手からそれを受け取る。 そして、その真っ赤な薔薇の花束を私が手にした時、再び、彼は、「おめでとう」と口にした。 すると、トゥー!トゥトゥトゥ!と響き渡る音。 さらに、お誕生日マーチが流れ、周りからの拍手。 それから、感動している中、大きな箱が私の前に登場して来た。 演奏の音がさらに明るみに出て来て、パンっと鳴る音。     
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