第2章 恋人2

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第2章 恋人2

ケイ「里紗さん!」 耳に入ったその声に振り返る。 手を大きく振って、私のほうを見ている。 里紗「あー…」 その足は、だんだんと私に近付いて来た。 ケイ「こんにちは」 そこには、買い物カゴを載せたカートをコロコロと転がた男の人、彼だ。 里紗「こんにちは」 会釈をし、私は、そう返した。 ケイ「里紗さん、今日の夕食のお買い物ですか?」 里紗「そうです」 その問いに、私は、そう答え、少し胸の鼓動が高鳴る。 ケイ「いいなー」 里紗「え?」 ケイ「里紗さんの彼は、いつも里紗さんの料理が食べれて!」 里紗「…」 ケイ「羨ましいです!」 私は、少し嬉しくなる。 里紗「そう?」 ケイ「はい!」 里紗「本当に?」 ケイ「本当ですよ!」 里紗「なんか、嬉しい…ありがとう」 彼は、私を見て微笑んだ。 そんな彼の微笑みに少しドキッとした。 しかし、そんな日常茶番を開いていた私達だったが、「…ケイ!」と呼ぶ声がした。 彼は、後ろを振り返る。 ケイ「…」 彼女「…もう!突然、走り出して行っちゃうから…」 ケイ「…」 彼女「…うん?どちら様?」 ケイ「…うん?あ…」 彼女「…」 少し睨みつけるように、私を見ている。 ケイ「…同じ大学の時の先輩」 彼女「…そうなんだ…」     
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