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「どうしたの、湊?」
「んーちょっと悪寒が走って」
「お母さんは走ってないよ?」
「そのおかんじゃなくって
「失礼ね。お母さん毎日走ってるわよ? 会社まで」
「遅刻ギリギリなだけじゃん!」
私の目の前で、温かく懐かしいようなやり取りが繰り広げられていた。
それを、輪の外から見守るしかできないことが、少し寂しく感じる。
でもしょうがない。私は死んでいるし、未来からきていることになってる。
これから、いろんなことを私はやり直しをさせる。そうすることで、彼女は未来を変えていくことになる。
まずは、小さなことからコツコツと。
『湊。今日は土曜日だよ』
「へ?」
「そういえば、なんでお姉ちゃん制服きてるの?」
「あ、ほんとね。起きてたのが衝撃で気付かなかったわ」
「は、早く言ってよもおおお!」
湊は、顔を真っ赤にしながら二階へ駆けあがっていった。
なるほど。周りから見た私ってあんな感じなんだ。
「顔が赤いね。自分が恥ずかしいのかい?」
うっせ。
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