小さいことから

8/8
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「どうしたの、湊?」 「んーちょっと悪寒が走って」 「お母さんは走ってないよ?」 「そのおかんじゃなくって 「失礼ね。お母さん毎日走ってるわよ? 会社まで」 「遅刻ギリギリなだけじゃん!」 私の目の前で、温かく懐かしいようなやり取りが繰り広げられていた。 それを、輪の外から見守るしかできないことが、少し寂しく感じる。 でもしょうがない。私は死んでいるし、未来からきていることになってる。 これから、いろんなことを私はやり直しをさせる。そうすることで、彼女は未来を変えていくことになる。 まずは、小さなことからコツコツと。 『湊。今日は土曜日だよ』 「へ?」 「そういえば、なんでお姉ちゃん制服きてるの?」 「あ、ほんとね。起きてたのが衝撃で気付かなかったわ」 「は、早く言ってよもおおお!」 湊は、顔を真っ赤にしながら二階へ駆けあがっていった。 なるほど。周りから見た私ってあんな感じなんだ。 「顔が赤いね。自分が恥ずかしいのかい?」 うっせ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!