こたつと私

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
こたつで寝るのは心地よい こたつの中に潜り込んでウトウトするのが最高 こんな所をおばあちゃんに見つかったら 「窒息するからやめんね」 とまた怒られるけど 「昔みたいに練炭じゃなくて電気だから大丈夫」 そう反論の練習をしてまた私はこたつに潜る そして潜る さらに潜る あれ?うちのこたつってこんなに深かったっけ? オレンジ色の暖かな光を滲ませるぽかぽかだったこたつが今は遠くここは冷たい まるで水の中のようだ息が苦しい 「ほぉら窒息する言うたやろ」 おばあちゃんの声が聞こえる 私の反論する声は水泡となって遠く滲むこたつに吸い込まれていく 冷たくて苦しい 苦しいから私はもがき纏わりつく水を掻き分け上を目指す 「ぷはっ!!!」 やっとのことで水面から顔を出し新鮮な空気を体に取り込む 水面だと思って顔を出した場所はこたつの外だった 息を整えながらキョトンとする私の頭上からおばあちゃんの声が降り注ぐ 「あんたまたこたつに潜って寝とったね?窒息するからやめんねって……」 「は~い」 最近のこたつでも窒息するかもしれないと身を持って経験した私は素直に従う まさか水の中と繋がっているとはおばあちゃんでも分かってないだろうけどね
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!