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特殊体質を言い訳にできない、自分の人付き合いに対しての根気のなさに、しばらく落ち込む日々が続いたが、そのうち景生より先にコミュニティを離れた一人から、ちょくちょく連絡が入るようになった。彼は以前、好きなロックバンドの話で盛り上がった相手だった。彼と音楽ネタのやり取りを続ける中で、他の同類数人ともお互いに推薦曲を教え合い、感想を伝え合うような関係が構築されていった。
ある大晦日、景生は同朋二人と真っ暗な部屋で鍋を囲んでいた。音楽好きのメンバーで地方住まいと家族持ちと帰省組を除いたのがこの三人だった。
その中の一人が年明けにこの三人でライブに行こうと提案した。一番若い一人はライブは照明がきつそうだから行きたくないと却下しようとした。言い出しっぺは透過率の低いサングラスをかけてこいと言った。男三人、黒光りのサングラスをかけて行くのか。それは異常に目立ちそうだと景生は笑った。
「女の子が混じってくれりゃましかも」
「なんだ、日和ってんな」
「あー、彼女ほしい」
「話題、変えようとしてないか」
家電の電源ランプのみが灯る中、男三人で除夜の鐘を聞いた。
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