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それからも毎年、お年玉の500円玉で買った置物は、咲子の前で生き物そのものの姿になった。
そういう不思議な体験が積み重なっていった。
ねずみ、うし、とら、りゅう、へび、うま、ひつじ、さる、とり・・・・・・
毎年それぞれの生き物が、1歳、また1歳と成長していく咲子の姿を教えてくれた。
初めて海に行った時のこと、おゆうぎ会のこと、卒園式のこと、入学式のこと・・・・・・
最初のうちは自分自身で覚えていないことだったけれど、自分の思い出が大切にされているように感じられて、嬉しかった。
さらに、数年が経つ頃には自分自身の思い出が蘇るようで咲子は楽しく思う気持ちも芽生えていた。
そして、再び戌年がやってきた。
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