お年玉戦争

開戦

「まあ多少は…。でも年末は忘年会とか色々あって、ボーナスもだいぶ吹き飛んじゃいました」

そう、名付けて「金欠アピール作戦」である。金がないことをあえてアピールすることで留美がお年玉を催促しにくくするというものだ。しかも、ここには叔父さんも叔母さんもいる。この二人にもそれをアピールしておけば、もしも留美が催促してきても「止めておきなさい。金欠なんだから」と止めてくれることだって期待できる。

「ははは、まあ若いうちはどんどん遊んだらええ」

叔父さんも酒がまわっているせいか、こんなちょっとした自虐ネタも笑い飛ばしてくれる。この一言は要するに「若いうちは自分の為に金を使えばいい」ということを意味するものだ。つまり、今ここで「留美にお年玉を与えない」ということがより正当化されたということだ。

全ては俺の計算通り。

さあ、この催促しにくい雰囲気の中、お前はどうでる？留美。