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「百々ちゃんが紙を持ち帰ってくれるのでしょう?そうしたら、きちんと説明いたしますよ。百々ちゃんにもあなたにも。」
それまでは、百々ちゃんがお友だちと何の憂いもなく楽しい時間を過ごせるとこを優先しないとと言われ、香佑焔は無言のまま姿を消した。
庭の小さな社に戻ったのだ。
恐らく、納得などしていないだろう。
それをわかっていても、一子は百々がしてのけたことを、思うと晴れ晴れとした気分になり、笑いがこみ上げてくるのを抑えることができなかった。
膝を付き合わせて、このような場合にどうしたらいいのか教えたことはない。
一子の側にいて、見ていた。
高校生になり、下宿する以前から幾度も。
それもまた、百々にとっての修行になっていることに、百々は気づいているだろうか。
さて、今夜はお勉強、復習かしらねと、一子は一人で喜びを噛み締めた。
間違いなく、あの子は次代なのだわーー
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