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「それじゃあ、あなたが感じたことを聞かせてちょうだいな。」
東雲と利永がまだいるというのに、一子は百々に報告を促した。
ということは、東雲はともかく、利永も四屋敷の事情を少なからず承知しているということなのだろう。
一子のことを「おばちゃん」と呼び、祖母の幼馴染みでいまだに墓参りをかかさない仲だというのだから、知られても問題ないってことでいいんだよねと、百々は自分なりに解釈した。
「えっと、学校だから社があるわけじゃなかったんだけど。」
まるで神社みたいだったと、百々はあの林で感じたことを素直に話した。
ただし、本当に神社の境内にいるというより、その気配が残っていたこと、守ろうとする力とそうではない力があるように感じたこと。
古い気配と幼い気配。
「こんな言い方で合っているのかわからないけど・・・何となくわかる?」
百々は、自分の言葉を一子がどう捉えているか不安になり、尋ねた。
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