違和感

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それに対し、一子はほほと笑いながら、「80点。」と点数をつけてきた。 それを、高いとみるか、低いとみるか。 「まずね、百々ちゃん。あなたが感じたことは、本当にその通りなのでしょう。」 「け、けど、それってどういう意味なのかさっぱり。」 とても感覚的なものなので、百々はどうにか言葉に直して一子に報告した。 どうやら、一子はそれを正しく受け取ったらしかった。 その上での評価だ。 「あの場所に関わることを、あなたがいない間に調べました。」 「あー。おばちゃん、あちこち電話してたもんなあ。ここから一歩も出ないで、全部人に調べさせてんだから、親子ともども人使いが荒いよなあ。」 「まあ、利永くんたら。私はこんなおばあちゃんですもの。周りの皆さんにお願いするばかりで、自分では何一つできませんもの。仕方ないじゃありませんか。」 そのお願いっていうのが強烈なんだよね、と百々はこれまでの経験でわかっていたが、おそらく利永も知っているだろうから、あえて口にしなかった。
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