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「あなたが感じた通り、どうやらあそこには神社があったようですよ。」
「やっぱり!」
百々は、自分の感覚が正しかったことに、安堵の声をあげた。
ならば、あの林は神社を包む木々だったのだろうか。
「でもねえ。学校が建ったときに他に動かされたのであれば、私もその神社の存在を知っているはずなのだけれど、どういうわけか覚えていないの。」
四屋敷は、神社と強い繋がりをもつが、同時に地域との結び付きも強い。
だから、この時代になってもこっそりと四屋敷のことをこの地域では口伝えで子らに言い聞かせているのだ。
四屋敷さんにいたずらをしてはいけないよーー
四屋敷さんはここいらへんを護ってくださってるんだーー
もしも、四屋敷さんに何かしたらーー
ーーどうなっても知らないよ、と。
そんな風に言われながら、この地に生まれ育った一子が知らない神社の存在が、果たして存在するのだろうか。
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