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「たぶん、これから行ってきた方が相手の方はいいんじゃないかしら。土日はお忙しくしていらっしゃるはずだから。」
でも、あなたが疲れているのなら仕方ないわねえ、週末にでも、と一子は強要はしない。
しないが、百々が行かないという選択肢もない。
百々は、ため息一つで諦めた。
「行ってきます。」
「まあ、偉いわ、百々ちゃん。」
「だって、行かないと解決しないんでしょ。えっと、今度は私服でいいんなら、一人で行けばいいんだよね。」
ちらりと、百々は東雲を見た。
これは、東雲が持ち込んだとはいえ、受けた側の四屋敷の仕事だ。
これ以上、東雲の貴重な時間を使うわけにはいかない。
それに、今の百々は制服姿ではないが、東雲は制服を着用している。
行き先によっては、警察官の来訪を快く思わないかもしれない。
そんな百々の考えがわかったらしく、利永が口を挟んだ。
「なら、私が送ろうかね。非常勤の身だ、今日は暇にしとるし。」
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