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「持ちましょうか。」
百々が持っている菓子の紙袋に、東雲が手を差し出した。
「いえ、大丈夫です。」
母の七恵が買ってきた栗饅頭とどら焼きの詰め合わせは、思いの外重量があったが持てないほどの重さでもない。
百々に断られ、そのまま手を引っ込めた東雲は、私服に着替えていた。
一子に言われた通り、東雲はここに来る前に自分のアパートに立ち寄った。
さらにその前に、パトカーから私有車に乗り換えるために一度警察署に立ち寄ったのだが、さすがに百々はそこまではついていかなかった。
他の警察官に見られるのは、あまり好ましくなかったからだ。
少し離れたところで降り、歩いて行ける距離に見えるコンビニエンスストアで待っていると、東雲の車が駐車場に入ってくるのが見えた。
百々は、自分の分と東雲の分のペットボトルを購入して、コンビニを出た。
東雲には茶を渡す。
百々は、自分用にミネラルウォーターを買っていた。
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